2015年12月

2015年12月21日

_DSC0003 2

今日は何が起こるか期待しながらいそいそメスの巣木へ。
巣穴から顔を出したのは・・・

「キミは・・・18日に会ったあの少年かい?」

あぁ、あの娘はどこかへいってしまったようです。
今夜は4頭のムササビたちに会えたけれど、みんなオスでした。
少年の顔を見た途端、ぷっつりと糸が切れて諦めて帰ってきてしまったのですが、今思えばちゃんと雌雄確認をすればよかったと後悔。。。

私たちの個体識別は耳の形だとか、傷跡だとか毛色、性器の色や形などです。けれども現場ではやはり顔の印象で決めることが多いことはあります。

「決定的な証拠はあるの?」「DNA鑑定でもしたの?」

なんて言う人もいるかもしれません。けれどもそれは人間関係と同じではないでしょうか。
たとえ勘違いや思い込みがあったとしても、私はこの森に棲んでいる顔なじみのムササビたちとこれからもこんな付き合い方をしていきたいと思っています。

_DSC0024 2
(今回の舞台の主役を見事に勤めたメス)

あの娘とはきっとまたどこかで会えるでしょう。
彼女が母親になるその日まで、たくさんの木々を食べ、安心して子育てのできる樹洞を見つけ、どうか穏やかに暮らしてほしいと思います。

_DSC0039 2

ありがとうございましたー!
 

2015年12月20日

_DSC0003

上の巣穴から顔を出したのはメスでした。
もう疲れ切ったようにうなだれて、耳は齧られたように毛がギザギザになっています。
17時を過ぎてもやってくるオスはおらず(この日の日没は16:31)、びくびく辺りを警戒している様子もありません。けれどもこの体勢からなかなか外へ出ようとしません。

すると、穴の中からモリモリっとなにかが盛り上がった!

_DSC0008

メスの巣穴からもう1頭出てきました!向こう向きなので尻尾のように見えるかもしれませんが確かに2頭!メス同士なのか、オスとメスなのか・・・。

ようやく左のムササビが向かいの木へ移りました、すかさずシャッターを切ります。

_DSC0020

オスでした!なんとなく第一位オスとは印象が違うような面構えでしたが、とにかくメスは交尾の翌日、オスを巣穴に迎えたのです。 ん〜、そんなこともするのか〜!

オスが向かいの木にいる間、相変わらずメスはうなだれたポーズのままでしたが、オスがどこかへ飛び去った途端、メスは魔法が解けたように顔を上げスルスルっと巣穴をでて向かいの木へ止まりました。やっぱりこのオスに対しても警戒中だったのでしょうか・・・。
_DSC0028

残念ながらお腹を撮るチャンスはなかったので交尾栓の確認はできませんでしたが、知らなかったことをたくさん見せてくれました、どうもありがとうムササビたち。

まだまだこの森のどこかでこれから発情を迎えるムササビたちはいるはずです、明日もまた出かけようと思います。 

2015年12月19日

_DSC0001

メスの巣木へ出かけると顔を出したのは昨日の「第一位オス」でした。いったいメスはどこへ行ったのでしょう。
それでも第一位オスは今夜も相変わらず他のオスが姿を現わすと一目散に追い払いに飛んでいきます。
この調子だときっと近くにメスはいるはずです。
「どこだどこだー」

_DSC0034 2

実は、オスが顔を出した巣穴の上にはもう一つ上向きに開いた洞があるのですが(2つの穴は中がつながってはいない)、オスは仕切りに上の洞を覗いては「びくっ」としています。どうやら中にメスがいるようです。

ということは、メスの隣の部屋で第一位オスはちゃっかりと「お泊まり」してしまったようなのです。
メスの心境ときたら「ちょっとやだー!なんなのこの人ー!」と聞こえてきそうです。

もう時計を見るのも忘れてしまう頃(多分お寺の鐘が鳴った後)、ついにメスが巣穴から体を出す、と同時に第一位オスともみ合い一目散に逃げていきます。
もう追えないほど遠くへ行ってしまいましたが、微かにライトの光がぼんやり届く先に「グゥー!」とメスの辛そうな声が聞こえます、その瞬間交尾をするようなシルエットが見えました。

メスは今日、発情日を迎えていたのでしょうか。明日はメスのお腹を撮ることができればいいのですが。
 

2015年12月18日

_DSC0014
(第一位オス)


今年も繁殖期がやってきました!
これからほぼ毎日観察に出かけるので記録として記事を残したいと思いますが、巣穴や場所を特定されないよう配慮することをご理解ください。

16:00、巣穴からメスが不安そうにあたりを警戒しています、一番近いMの巣穴からはムササビの気配はないと判断。
16:20 写真の第一位オスが巣木に飛びつくなり巣穴を覗き、手でまさぐる行動、その後は巣穴の上に張り付きひたすら「キョロロっ」と啼き続けていました。そんな中すぐ脇にある木のてっぺんにカラスがやってきてしまい、オスは一変身を低くし啼くのをやめてじっと動かなくなりました。
街から「7つの子」の放送が終わる頃、カラスが飛び立ち遠くへ行くのを見届けたオスは行動開始です。

_DSC0024

一気に巣穴へ飛び込み中で2頭がもみ合っているのが見えました、次の瞬間メスが「ギェーー」とかわいそうなほどの叫びを出しながら上半身を巣穴から出します、そしてオスを振り切り地面へ落下。(写真は落下中のメス、左上にオスが見えます)
_DSC0026
(オスの口の周りにはメスに噛み付いたと思われる毛がたくさん付いていました)

その後20分ほど巣穴と地面から両者とも動きませんでしたが、意を決したメスが近くの木に登り一気に長距離滑空で遥か森の奥に消えて行きました。
オスはメスに発情の兆しがないと悟ったのか、巣木に居座り次から次へとやってくる別のオスたちを追い払い始めました。(のべ4頭)

そんな中やってきたのはまだ幼い顔の少年。
_DSC0054
 
彼は第一位オスに威嚇されましたが、すんなりメスの巣木に侵入成功、顔を出したり引っ込めたり。
第一位オスはとまどっているようにも見えましたが、それ以上は少年には手を出しませんでした。
その後は2号巣付近で1頭目撃。

駐車場へ戻ると、また昨日と同じくムササビの滑空ルートにカメラマンが陣取っていました。
わざわざ滑空する写真を撮るためにまったく同じ場所で頑張っていましたが、そんなに撮る気があるのならちゃんと自分のフィールドとして開拓すればいい。モデルに対して手順を踏まないカメラマンはきっと写真を見る側の人間が何を見抜くかなんてことも想像できないのかもしれません。 

2015年12月14日

_DSC0003 2


今朝は雨があがり、気温は穏やかでした。これはきっと誰かに会えそうです。
ムササビの森の先日リスと出会ったポイントへ行ってみることにしました。

森へ入ると早速、カシの木からバラバラと葉についた雫が落ちてきます。
リスが枝から枝へ飛び移るたびにバラバラ・・・バラバラバラバラ・・・。

「あの・・・バレてますよーおもいっきり」

リスは私に見つかってもあまり気にしていないようです、さすがムササビと肩を並べ樹冠を制する森のスター。
けれどもヒヨドリの声が近づいてくると「ピタっ」と動かなくなります。
ヒヨドリもリスにちょっかい出すのでしょうか、今度Kさんに聞いてみよう。

_DSC0014


すっかり葉を落とした木までやって来ると、曇り空にシルエットがはっきり観察できます。
手足の動きはまるでムササビとは大違いで機敏に小回りを繰り返します。
リスの特徴的なリズムで「タタン、タタタン」と忙しそう。

_DSC0018 2

コナラ林までやってくるとまたヒヨドリの声が近づいてきました。
するとまた「ピタっ」と、今度は樹面に張り付き木に化けています。
こうして見ると、ムササビが着木した時のポーズとそっくりです。
確かに、死んだリスを仰向けにすると滑空中のムササビそっくりの格好をします。きっと両者の骨格はほとんど変わらないのかもしれません。

夜に生きる道を選んだムササビ、昼に生きる道を貫いたリス、出発点は一緒だけれどかれら自身の努力と知恵と工夫によって現在のそれぞれの生活を獲得したのですね。
さすがです!!!!