2016年03月

2016年03月20日

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ついに今年初めて野生動物の事故現場に出会ってしまいました。日曜の明け方なんて車の通りは平日よりも遥かに少ないのに・・・。

毛皮の綺麗な健康的なオスのタヌキでした。
今頃のメスのタヌキはお腹に子供がいます。そしてタヌキはこれからの子育ての生活を夫婦で協力しながら過ごしていきます。
もしもこのタヌキにお嫁さんがいるのなら、それはこの森に身重な体の未亡人になってしまったメスのタヌキが棲んでいるということです。

子育てをひとりで行わなければならないとすれば無茶なこともしなければなりません。道路を何度も行き来したり、安易に罠にもかかってしまうかもしれません。
地元の住人にはタヌキもアナグマもキツネもアライグマもハクビシンもみんな害獣だと思い込んでいる人も多く、罠に掛かればみんな殺してしまいます。
そんな住人に「アライとハクビだけにしてくれませんか」と言ったことがあるけれど、答えは「だって放したらまた悪さするじゃないか」でした。
日本産のいきものたちが棲みにくい日本て、どういうことだろう。

タヌキを路肩へ運び、さて山へ運ぶのが近いか川へ持って行こうかとキョロキョロしていると、向かいの家からおじさんが出てきて

「後で埋めといてやるからそこ置いといていいよ、ありがとね」

なんて・・・なんてやさしい人!!!
殺す人もいるけれど、ちゃんと死んだタヌキに敬意を持って土に埋めてくれる人もいるのです。動物の事故死体となると行政に取りにきてもらってそのままゴミと一緒に焼却されるケースが多いものですが、今回のタヌキはちゃんと自分の棲む森へ環ることが出来たようです。
おじさんの気持ちがとても嬉しかった2016年最初のロードキル事件でした。




2016年03月18日

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2月の終わりから3月の頭になるとムササビのお母さんたちが出産を始める季節となります。
そうして今夜も気になるメスの巣穴の前で顔を出すのを待っていました。

今夜は暖かくて風が強かったようでしたが、森の木々たちが風を受け止めてくれるので地上の私のところまでは風は届きません。この森の木々は樹齢も樹高もとても長い歴史をまとっていて一人でここへ来るのは少し怖いほど厳かな森であります。

今夜はムササビを待っている間、フクロウが歌を歌ってくれました。

「ホーホー ホッホホーホ」

野太い声と少しハスキーな声、つがいなのか向こうとこちらで鳴き交わしています。
フクロウももう繁殖期、真っ暗な森のなか、お互いを気遣うフクロウの歌声はとても私を幸せにしてくれます。

以前、ムササビの繁殖期のツアーで講師をお願いした熊谷さんが言った言葉。
「繁殖期の面白さは子供にはなかなか伝えるのが難しいんだ」

本気で恋をして楽しかったり辛かったりを経験して、そうして結婚して幸せに思ったり、やっぱり一人がいいやと思ったり、そんな酸いと甘いを知った大人だからこそいきものたちの恋の攻防戦が面白がれるのかもしれません。

私には優しいフクロウの歌も、子供のなかには「闇夜に嘶く恐ろしい鬼の声」に聞こえるのかも。それはそれで楽しいし、真実です。
だからいきものに興味のある子にはたくさん恋をしてほしい、少しくらい親を困らせたとしても「ガンガン行け〜!」ということをおすすめいたします。

そんなことを思っていると突然真っ黒な影が音もなくムササビの巣木の枝へ止まりました。
「フクロウだ〜!!!」
それが上の写真でした。
ここでも「ホッホー」と始まったのでムササビが驚いたのか顔をだしました。

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(矢印の白い枝にフクロウが降りました)

ああ〜、ムササビとフクロウのコラボ写真を撮りそこねてしまいました・・・。