2016年05月

2016年05月30日

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スダルとは韓国語でカワウソのこと、日本に棲んでいたカワウソと同じユーラシアカワウソの仲間です。
日本では2012年にニホンカワウソの絶滅宣言が出されてしまいましたが、隣の韓国では保護活動の結果その数を増やしているのだそうです。

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(地元でスダルの写真を撮っているチェさん)

釜山空港から北へ3時間、大きな川と低い山がどこまでも続く山村です。セグロカッコウは朝から晩まで子守唄を歌い、シマリスが木に登り、テラスにはオオアカゲラがやって来てにぎやかです。そして飯能と全然違うのはどこを探してもけもの道が見つからないこと、シカ柵や電柵が1つもないところです。

川へ降りるとスダルのフンと足跡がすぐに見つかりました、フンをするのは目立つ場所でこれはテンとそっくり。足跡はキツネほどに大きめだけれどたしかにキツネではありません。
たまたま入った食堂で知り合うことができたチェさんが「日の出と日の入り30分前後がよく観れるよ」と教えてくれたので、翌朝出掛けると時間差で2頭のスダルが魚を捕る姿を見せてくれました。
地元の人の話を聞くこと、環境をしっかり調べること、これは野生動物に会いに行き、そして撹乱させないための大事なプロセスであることを改めて実感しました。ただ写真を撮りたいだけのカメラマンにはここが欠けているのではないかと思います。

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(おさかなくわえたスダル)

ぽこっと潜っては魚をくわえて浮かび、上を向いてあぐあぐ食べていました。
100年前の飯能ではまだこんな姿が見られたのでしょうか。
私たち日本人はニホンカワウソという血を永遠に途絶えさせてしまったけれど、スダルはぎりぎりでも生き延びていてくれて本当に良かった!!
会えて本当に嬉しかったですスダル!!
 

2016年05月13日

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先日掛けた巣箱ですが、4、5、6号すべてが囓られていました!
ムササビが入れる穴は直径8センチと言われているので、今回の巣箱の穴はすべて6センチの穴で作ってみたのですが、なるほど2センチくらいは広がっています。まだ初期なのでこれからもっと変化していくのでしょうか。

写真は4号初の入居者です、そう、おじさんたちの小屋の隣人です。そして塞がれてしまったスギ巣の近くであり、入り口の向きもスギ巣と同じ方向にしました。板もこれまでより厚くした2016年モデルでありますが、いったいどのエッセンスにムササビは合格点をくれたのか、すぐに知りたいのは私の勝手。いつかムササビが語ってくれることと思い観察を続けたいと思います。

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19:17、巣箱から出てきたのは初めて出会った娘でした。特徴的な顔立ちで、腕の黒さが目立つ個体のようです。周辺にも3頭が次々現れて、なにやらにぎやかに鳴き交わしていました。やたらと鳴き続ける者、ガツガツとカエデの葉を食べまくる者、ひたすらジーっと様子を伺うもの。
これが6月繁殖期の前準備だったら嬉しいのですが。 

今夜はムササビに送ったラブレターの返事をもらったようなもので、とても幸せな夜です。

 

2016年05月08日

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私が運転を気を付けていても道路では家路へ急ぐ多くの車が信号のない山道をビュンビュン飛ばしていきます。
私は道路の脇に見える森や畑などをライトで照らしては光る眼を探しながらノロノロ運転をしていたので、早い車が後ろから来ると脇に寄せて譲っていました。

そうしてまた走りだすと、動き方がどうもおかしなテンが反対車線を走っています。
テンは下半身が完全に潰れ、前足だけで体を引きずって隠れ場所を探していました。先ほど譲った車がテンを轢いてしまったようです。どうすればいいのか分からなかったけれど、車を停めてすぐに後を追いました。

民家の庭のツバキの植え込みの中でテンを見つけた時、もうグッタリと顔を伏せていましたが、私が近づくと顔を上げました。

「もうそれ以上来ないで」 

その顔はそんなふうに言っているようでした。 
1枚だけ写真を撮らせてもらい、道路の対岸まで離れて座り、いろいろ考えました。私たちの生活スタイルのこと、野生動物との距離は何処までいくと一線をこえてしまうのか。
もうテンは動きませんでした。

この辺りには鳥獣保護施設はありません、こんな夜間に重傷の野生動物を診てくれる獣医などいるでしょうか。何よりたとえ助かったとしても余生は車イスであり、野生復帰もできなければ子孫を残すこともできません。
いたずらにただ命を永らえるだけならば森へ還すほうがよっぽどノーマルな人生の終え方なのではないでしょうか。

明日になれば掃除屋のカラスやトビがテンを迎えに来ます、美しいテンの毛は小鳥たちが我が子のベッドルームに敷き詰めるのに重宝します。腐肉の好きな様々な虫たちも集まってきっと大宴会が始まります。

そうして森のいきものたちは繋がっているのだと、これから出会ういきものたちも誰かの命のおかげで今出会えているのだと、感謝することが出来そうです。 

2016年05月03日

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ムササビの森に巣箱を掛けました。
といってもほとんどがこの境内で働く造園のOさんが掛けたようなもので。
以前、Oさんに私が愚痴った事がありました。
「3号巣箱をハイカーが枝やストックで突いたり叩いたりするんだよ〜!」 
すると
「俺が2連バシゴ持ってきてやるから、もっと高いとこに掛けてやろう」

というわけで新しく3つの巣箱が森に登場です、これで6つの巣箱が掛かりました。
この内のひとつは念願だった「おじさん小屋」の脇。ここは造園のおじさんたちの拠点なのですが、毎日おじさんたちがムササビが顔を出すのを楽しみにしてほしい・・・という私の勝手な願いを込めた4号巣箱なのです。
でもきっとそうなるに違いないと、もう一人のおじさんが採れたてのタケノコを差し入れに寄ってくれた時、そう思いました。

Oさんをアシストしていた熊谷さん、応援にきてくれたC姐さんや仙人のKさん、おじさんたちも皆んなこの森で出会った大事な人々です。ムササビ、いつもいつも本当にありがとう〜!!

飯能に棲むいきものたちに棲み処と繁栄を!!!



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