2017年03月

2017年03月31日

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(青梅の森に棲むメスのムササビ、ブースカ)

1月10日に交尾が確認できたブースカ、ムササビの妊娠期間は74日とのことなので、出産予定日は3月25日前後だと予想していました。 

25日はいつものように日没後、外へ出かけていきました。
26日、雨が降っていました。ブースカは巣箱から一度、顔は出したものの出かける様子を見届けることはできませんでした。
27日、28日、30日、巣箱内に居ることは分かっていたのですが、とうとうブースカは顔も出さず終い。仕掛けてきたセンサーカメラにも出かける様子は写っていませんでした。

そして今日、ブースカの巣箱へ近づくと、中から声が聞こえてきます。

「くぅー、くぅくぅー」

アカガエルの繁殖期に聞こえるような声に似ています。

「チュバッ」という音も聞こえてきます。

けれどもすぐに聞こえなくなって、 1時間くらい待つとまた聞こえてきます。
ブースカは見事にお母さんになったのかもしれません。

音だけで想像するに、お乳をねだる「くぅー」という声、乳首を探して唇をならす「チュバ」という音なのではないかと、そんな気がしています。

今夜は雨、そして明日もまだ気温の低い夜が続きます。ブースカはまだ毛の生え揃っていない我が子を温め、授乳をし続けなければいけません。

雨が入り込まないだろうか、巣材は十分だろうか、ブースカはちゃんと栄養を蓄えることが出来ただろうか。
今日からは嬉しい心配事でそわそわの毎日になりそうです。 

2017年03月23日

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ついにシンポジウムが終わってしまいました。
1日目は東京都美術館での先生方の講演、2日目はアクアマリンふくしまでのエクスカーション、そして3日目には先生方とプライベートで猪苗代カワセミ水族館と、なんとも濃い3日間を過ごしてきました。

NHKの小林ディレクター、ニホンカワウソはもう絶滅してしまったこと、けれども韓国ではカワウソが復活していること、そしてそのカギを番組で伝えました。講演では番組を見た男の子から送られた手紙が紹介されました。

「ぼくはカワウソをたすけたいです。どうすればいいですか?おねがいします、おしえてください 。」


安藤先生はカワウソを助けられなかった多くの理由の中に「知識不足」「保護対策の欠落」を挙げていました。議論をし、合意を得て対策を確立させるまでには多くの時間がかかると。被害が目に見えてから議論を始めていてはもう間に合わないのです。


会場で配ったアンケート、なんと9割の方が何らかのコメントを書いてくださったそうです。一部だけでしたが私も読ませていただきました、その中にあったコメント。

「私も保全活動をしたいと思いました。それには何から始めればいいでしょうか。」

カワウソに限らず、保全というのは始めようと思って出来る種類のものではありません。ゴールがわからないまま始めればきっと飽きてしまうか、誰かに丸投げになってしまうかもしれません。
保全の本質、それは相手のことを好きになり、相手をよく知ることだと思うのです。

自治体がたくさんのお金を使ってもアライグマやハクビシンは減りません。多くの人は目の前にいるそのいきものがアライなのかタヌキなのかハクビなのかがわかりません。
小学校では「生態系」や「生物多様性」といった一番の基礎となるはずの教育が行われていません。

虫でも鳥でも魚でもいいのです、もちろんカワウソでも。たった1種だけでも本気で大好きになれるいきものを見つけてみてください。そしてそのいきものがどんなことをしたら悲しむか、どんなことをしたら喜ぶかを調べてみてください、そしてその環境を共有してください。
いつかきっと生物多様性の輪廻に沿って、必ず絶滅したニホンカワウソにたどり着けるはずです。

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(カワセミ水族館で暮らすチロル)


読んでいただきありがとうございました。