カワウソ

2017年03月23日

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ついにシンポジウムが終わってしまいました。
1日目は東京都美術館での先生方の講演、2日目はアクアマリンふくしまでのエクスカーション、そして3日目には先生方とプライベートで猪苗代カワセミ水族館と、なんとも濃い3日間を過ごしてきました。

NHKの小林ディレクター、ニホンカワウソはもう絶滅してしまったこと、けれども韓国ではカワウソが復活していること、そしてそのカギを番組で伝えました。講演では番組を見た男の子から送られた手紙が紹介されました。

「ぼくはカワウソをたすけたいです。どうすればいいですか?おねがいします、おしえてください 。」


安藤先生はカワウソを助けられなかった多くの理由の中に「知識不足」「保護対策の欠落」を挙げていました。議論をし、合意を得て対策を確立させるまでには多くの時間がかかると。被害が目に見えてから議論を始めていてはもう間に合わないのです。


会場で配ったアンケート、なんと9割の方が何らかのコメントを書いてくださったそうです。一部だけでしたが私も読ませていただきました、その中にあったコメント。

「私も保全活動をしたいと思いました。それには何から始めればいいでしょうか。」

カワウソに限らず、保全というのは始めようと思って出来る種類のものではありません。ゴールがわからないまま始めればきっと飽きてしまうか、誰かに丸投げになってしまうかもしれません。
保全の本質、それは相手のことを好きになり、相手をよく知ることだと思うのです。

自治体がたくさんのお金を使ってもアライグマやハクビシンは減りません。多くの人は目の前にいるそのいきものがアライなのかタヌキなのかハクビなのかがわかりません。
小学校では「生態系」や「生物多様性」といった一番の基礎となるはずの教育が行われていません。

虫でも鳥でも魚でもいいのです、もちろんカワウソでも。たった1種だけでも本気で大好きになれるいきものを見つけてみてください。そしてそのいきものがどんなことをしたら悲しむか、どんなことをしたら喜ぶかを調べてみてください、そしてその環境を共有してください。
いつかきっと生物多様性の輪廻に沿って、必ず絶滅したニホンカワウソにたどり着けるはずです。

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(カワセミ水族館で暮らすチロル)


読んでいただきありがとうございました。

 

2017年02月03日

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http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=tama&link_num=23942


熊谷さとしさんが携わる「カワウソ研究会」が東京動物園協会と共に開催するシンポジウムが行われます。

私たち日本人はこの国にずっと暮らしてきた「ニホンカワウソ」といういきものを「絶滅」という最悪の形でかれらの繁栄を途絶えさせてしまいました。
そんな日本を反面教師として、現在カワウソの個体数を増やし続けている韓国から現場で活動されているハン・サンフン、ソンヨン先生お二人をお招きします。
そして日本からは、日頃ムササビでもお世話になっている安藤元一先生、NHK「ダーウィンが来た」のディレクター小林氏、野生生物保全センター長の藤井氏、パネルディスカッションでは「カワウソ研究会」から獣医師の前田先生が登場されます。す、、、、豪華すぎる。。。

このシンポジウム、企画打ち合わせ段階で私にずっしりと伝わってきたのは、ただの「カワウソファン」のためのものではないということ。もう2度と、これ以上野生動物を絶滅させてはいけないのだという、ストレートなメッセージが込められています。
これはきっと、「保全」という活動に取り組みたいと思う方々が参加されたら、「腑に落ちる」内容がたくさん聞けるシンポジウムになるのではないかと、きっとそうなると思います。

私にも何かお手伝いできないかとお願いしたところ、「物販コーナー長」というポストをいただきました。そこで、今日はグッズ作りのお手伝いをしてきました。

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それぞれに象徴的な食べ物が付いています、クマに青いドングリ、カモシカに茶色のドングリ、粋です。
オコジョのごはんはノウサギなのです!
他にも数々をご用意して物販コーナーでお待ちしております。

お申込みは2月末までです、翌日は「アクアマリンふくしま」でのエクスカーションもあります。日本にいた頃のカワウソを思い浮かべられるような展示となっています。
両日、それぞれのお申込みが必要となりますので、こちらをご覧ください。







2016年05月30日

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スダルとは韓国語でカワウソのこと、日本に棲んでいたカワウソと同じユーラシアカワウソの仲間です。
日本では2012年にニホンカワウソの絶滅宣言が出されてしまいましたが、隣の韓国では保護活動の結果その数を増やしているのだそうです。

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(地元でスダルの写真を撮っているチェさん)

釜山空港から北へ3時間、大きな川と低い山がどこまでも続く山村です。セグロカッコウは朝から晩まで子守唄を歌い、シマリスが木に登り、テラスにはオオアカゲラがやって来てにぎやかです。そして飯能と全然違うのはどこを探してもけもの道が見つからないこと、シカ柵や電柵が1つもないところです。

川へ降りるとスダルのフンと足跡がすぐに見つかりました、フンをするのは目立つ場所でこれはテンとそっくり。足跡はキツネほどに大きめだけれどたしかにキツネではありません。
たまたま入った食堂で知り合うことができたチェさんが「日の出と日の入り30分前後がよく観れるよ」と教えてくれたので、翌朝出掛けると時間差で2頭のスダルが魚を捕る姿を見せてくれました。
地元の人の話を聞くこと、環境をしっかり調べること、これは野生動物に会いに行き、そして撹乱させないための大事なプロセスであることを改めて実感しました。ただ写真を撮りたいだけのカメラマンにはここが欠けているのではないかと思います。

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(おさかなくわえたスダル)

ぽこっと潜っては魚をくわえて浮かび、上を向いてあぐあぐ食べていました。
100年前の飯能ではまだこんな姿が見られたのでしょうか。
私たち日本人はニホンカワウソという血を永遠に途絶えさせてしまったけれど、スダルはぎりぎりでも生き延びていてくれて本当に良かった!!
会えて本当に嬉しかったですスダル!!