ムササビ

2017年08月13日

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ここはN寺の親子とヘルパーが棲む界隈。
メスは100m✕100mの縄張りを持つと言われています、そうするとここはお母さんのシマということになるのですが、それはどこまで厳密なのでしょうか。

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彼は親子の巣箱から20mほどの巣箱にこっそりとお泊り、出巣はなんとも素早く、親子の巣箱とは反対方向へ出かけて行きました。
また別の巣穴では、それまで親子が使っていた巣穴にオスが一週間ほど寝泊まりしていることもありました。
昨夜はこんな出来事が。

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メスが出かけていった後の巣箱へオスがやってきました。

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丹念にアゴをスリスリ、入り口をガリガリと齧ったり、

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中へ入ってすぐ出たり、

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上からおしっこをかけているのか、ただしているだけなのか。。。

きっと森の中はメスの縄張りだらけなのでしょう、オスたちは彼女たちとの距離を保ちつつ、様子を伺いながら、メスたちの合間を漂うように暮らしているのかもしれません。




2017年08月04日

昨夜、巣箱の近くでいつもの親子と出会ったので、明け方に2頭で帰ってくる姿を巣箱の前で待つことにしました。

4時25分、小屋裏の高いモミから見事な滑空をしました。白みかけの空に映る滑空シルエットは本当に美しいもので、これだけでも来て良かったと思うほど。
けれどもその個体は私の知らない未知の方向へと行ってしまいました。あの個体の巣穴を突き止めたい、けど親子ももうすぐ帰ってくるはず・・・。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」先人はいつだって正しい。
あの個体を追うことにしました。

ざわざわと枝が揺れる音を頼りに付いていくと、いつもチェックしていた樹洞のある木の下へ辿り着きました。この樹洞でムササビが顔を見せてくれたことはまだ一度もありません、入り口は細い隙間しかなくムササビが入れるのかどうかもわからないものでした。

「あ!」

ムササビが枝をひょいひょいっと降りてきて樹洞のそばまでやってきました。

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はいる?入るの??

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はいったー!!

いつもいつも新しい巣穴を知るとワクワクするものです、ありがとうムササビ。

さて巣箱は帰ってきたのでしょうか。

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はい、おかえりなさい。




2017年08月03日

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この頃のムササビたち、あちらこちらでカエデに夢中のようです。
どこを食べているのかというと、種子の付いたプロペラの部分。これを一粒一粒丁寧に食べているようです。
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まるで私たちがカニを食べるときに似ています。



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こちらはまだまだ始まったばかり、あと何日かするともっとたくさんのプロペラが散らばってきれいな緑色の絨毯のような景色になります、楽しみです。

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こちらはコナラのまだ青いドングリです。
「熟してないドングリなんて食べるの?」と思われる方もいるでしょうか。
このドングリ、実際に齧ってみるととても柔らかく、エグ味もあまりありません。この時期、離乳して歯の生え揃った子供たちが食べるのにちょうどいいのかもしれません。

今夜は山頂で2頭、境内で親子を観察。

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寝癖がつていますよ。

 

2017年07月27日

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ここは奥多摩にある渓谷、橋の上から撮影したものです。
川を挟んで右側はムササビたちが棲む神社、左側はかれらが毎晩出かける食料の実る森です。この幅は役220メートル。明け方、ムササビたちはここを大滑空して一気に神社へ帰ってくるのです。
・・・とは言っても私はこれまで7回ほどこの場所へ観察に行っているのですが、大滑空を見れたのは一度だけ、けれどもその滑空は他のどの場所でも見れないほどの素晴らしいものでした。

滑空中のムササビの尻尾はピロピロと小刻みに揺れてまいす。それはちょうど凧の下についている足のようです。
ムササビの本によっては「尻尾は舵の役割をする」と書いてあるものがありますが、かれらを観ていると追いかけっこをしている時も滑空している時もぶら下がっている時もすべて、舵というよりはバランスをとるために尻尾を使っているように思えます。
そしてムササビの両腕に発達した針状軟骨には舵取り以外の役目はなさそうに見えるのです。
この場所は200メートル以上も長い滑空を見せてくれるので、そんなことを考えながらじっくりと観察出来るポイントなのです。

高い所が苦手な私は橋の中央でひたすら下を見ないようにコチコチになりながらムササビを待っていたのですが、時折通る車はスピードを緩めて私を怪訝そうにして通り過ぎていきます。
夜中、高い橋の真ん中、一人の女、イコール、、、自殺?と思われてはいないだろうか??
というわけで、車や人が通るたびにわざとらしくストレッチなどしつつ、死ぬ気がないことを懸命にアピール。そしてとうとう今回も大滑空はお預けでした。

神社へ寄ると、もうとっくに巣穴に帰ってきていました。

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奥多摩のみなさん、私はこんなことではへこたれませんよー。
いつかまた、あの素晴らしい滑空を見せてください!


 

2017年06月25日

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(今回の主人公)

ムササビの不思議な縁で出会うことが出来たTさん、今度はTさんのご両親のマンションのベランダにムササビが棲みついたとのお話。こんな面白いムササビの導きでご両親とも出会うことが出来、何度か伺っているうちに面白い写真が増えてきたので、ここでご紹介したいと思います。

初めは「室外機の裏にいるらしい」とご両親は睨んでいたので、自撮り棒で室外機裏を撮影。
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ほんとに居るからおもしろい!!!!
巣材も結構な量だったので、かなり前からの住人なのでしょうか。

ご両親曰く「室外機以外の場所にもいるらしい」とのことで、お父さんが調べてくれたところ、3段の引き出しの付いた物入れの下の10センチほどの隙間に巣材がありました。けれども数日の間に巣材がなくなっていたとか。どこへ移動したのだろうと思っていたら、お父さん見つけました。

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(どこにいるかわかりますか?木炭の下に尻尾!!)

これ以来、お母さんはベランダに出る時は「失礼しま〜す・・・」と一礼(笑)
こうしてムササビと人間の不思議な共同生活が始まったわけですが、こんなご両親が住人だからなのかムササビも安心しているような感じがします。そんな写真をお父さんが撮ってくれました。

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ときどきですが、こうして寝床から出てきてベランダでぽつりと座っていたりするそうです。

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何よりも私が感銘を受けたのは、お二人がムササビを歓迎していながらムササビを私物化したりペットにしようと思っていないこと。
かわいい動物を見てしまうと「飼いたい」と思うのが現代人が陥りやすいジレンマのように思うことが多いのですが、お二人はそんなことはとっくにクリアしていたこと。
「共存」てそんなに難しく考えなくてもいいのかもしれない・・・と気付かされました。

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(ベランダからお出かけ。Tさん撮影)